自分ブランドの食器を作りたい


陶芸家

細川 香 さん(44期)

 

栃木県益子町から都内に出てきた折に取材をお願いした。 久しぶりの東京とのことでしたが、私たち会報委員を含め、お友達との再会も楽しまれたようだ。 取材は、大学生の会報委員もいて、和やかにおこなわれた。

○職人になりたい

 細川さんは、大学受験時に美大を目指していたが、受験勉強をしている時に粘土の道に興味を持 ち、それを目指すことにした。そして、飛騨高山にある専門学校に通い、焼き物の工程を学んで いる間に「自分で1から10までできる」と決意し、独立した。

○自分ブランドの食器を作りたい

 益子を選んだのは、比較的実家の近くにあることと、地元の人が親切だったからだ。初めて訪問 したのに、その日のうちに何軒かの陶芸家を紹介して案内してくれたとき、「自然の中で、その 暮らしで、ここならやっていけそう」と思ったそうだ。益子焼が民芸品であることも理由の1つ。 日用的な物の焼き物の産地であるため、使い勝手重視の自分にとっては良かった。芸術として の陶芸ではなく、自分ブランドの食器を作りたいと思った。

○この技法を使いたい

 焼き物作りは「この技法を使いたい」という思いから始まる。だから絵付けは好き。ゼロから形 になるろくろ成形も好き。同じ形のものをいっぱい作れるのがうれしいと思えるところは、起業 家とも言えるし、製造業者とも言えるかも。

○「辛かったことは?」

 今までは十分過ぎるほど順調だった。リアルに自分が作った物が見えて、仕事の結果がわかるか らだ。1つ言えるのは、貧乏だったことかな(笑)

○東日本大震災後に陶器を持っていく

 東日本大震災の時は、益子も揺れた。周囲では窯が壊れてしまったところもある。そうした中、 東北に陶器を持っていった。今でも毎年、同じ人のところに様子を伺いながら会いに行っている。 作品は、相手が使うことを考えて作っている。東北の訪問もそうしたところから続いている。

○吹奏楽部は楽しかった

 横高は先生も生徒も個性的。勉強やイベントに追われて辛いこともあったけれど、部活でサック スを吹いたのは楽しかった。昨年、横須賀の大津で開いた個展に元担任が来てくれたのには感激 した。いまだに美術の先生は付き合いがあり、関東の個展のたびに来てくれる。2017年11月 15日~20日、逗子アートギャラリーでホソカワカオリの個展を開く。

 「地域のいろいろなお立場の方々のお力もお貸しいただきながら、よりよい地域づくりに努力していきたいと思っています」と難題に挑戦中です。

○陶 吉花

 横須賀どぶ板通りにこじんまりとした陶器のお店がある。お店の中はすべて益子焼の作品。その中にホソカワカオリさんの作品も売られている。ホソカワカオリさんの作品は、「他の作品と違い、ツルツルした感じのふつうの食器の出来上がりになっている」と店主は語る。女性好みの絵柄でふだん使いの作品が並んでいた。


○帰りのバスで

 取材を終えて帰宅してから、細川さんから一報がありました。「リーズナブルで使いやすい普段使いの器…少しだけ私らしさがある器、それが一つずつでもいいから、より多くの家庭の食卓で活躍してくれることを願って作り続けています。「作品」という答えがわかりやすく出るところや、気温等の条件に左右されるところ、自然や四季を感じて仕事ができるところ、厳しいことがあっても自己責任。そんなところすべてが魅力的で天職だと思っています」と、改めて自分の仕事について考えたようだ。「機会があったら益子に来てください!」 (34期 大竹英恵 記)